中東が舞台の戦争ドキュメンタリー映画まとめ
の戦争を舞台にしたドキュメンタリー映画を調べてみました。戦争という極限のなかで人間の本質が垣間見れる、そういったドキュメンタリー映画作品です。なかにはアカデミー賞受賞作品もあり世界的に評価されているものもありますので、注目してみてはいかがでしょう。
アルマジロ
2009年、アフガニスタン南部ヘルマンド州にあるアルマジロ基地に、デンマーク人の青年たちが派兵されます。
彼らは支援国として、イギリスとともに最も危険なエリアを担当しました。タリバンの拠点までたった1キロという死と隣り合わせの戦場で、青年兵士たちに7ヵ月密着し、恐ろしい戦場をありのままに伝えたドキュメンタリーです。
カンヌ国際映画祭批評家週間グランプリ受賞作品。
パレスチナ1948・NAKBA(ナクバ)
1948年のイスラエル成立の裏側で、70万人以上のパレスチナ人が故郷を追われ、難民となりました。
パレスチナ人が大惨事(NAKBA)と呼ぶこの事件の真相を、世界各地の戦場を映し出してきたフォトジャーナリスト・戦場カメラマンの広河隆一が、パレスチナ人、ユダヤ人の証言を通し問題提起していきます。
40年間もかけパレスチナを取材した膨大な量の記録を元に、現地の歴史と現実を明らかにしていく作品です。
沈黙を破る
イスラエル軍によるヨルダン川西岸地区への侵攻作戦の中で起こった難民キャンプへの侵攻を記録した、ドキュメンタリーです。
2 週間にも及ぶイスラエル軍の包囲による殺戮や破壊の恐怖にさらされるパレスチナの人々の生活に、カメラは密着する。同時期、元イスラエル将兵である青年たちが“沈黙を破る”という題の写真展を開いて、自分達の加害行為を告白しはじめます。監督はジャーナリストでもある土井邦敏です。
ラッカは静かに虐殺されている
2014 年、シリア北部の街ラッカは、シリア内戦において過激思想と武力で勢力を拡大する「イスラム国(IS)」に制圧されました。
平和で、穏やかだったラッカの街はISの首都とされ一変します。そのISの拠点ラッカで起こる悲惨で虐殺を、命がけで秘密裏に報道する市民団体RBSS(Raqqa is Being Slaughtered Silently/ラッカは静かに虐殺されている)の姿を詳細に描くドキュメンタリーです。
それでも僕は帰る 〜シリア 若者たちが求め続けたふるさと〜
2011年に始まった「アラブの春」という民主化運動の波により、青年たちが非暴力の民主運動を先導していきます。しかし、2012年2月政府軍の攻撃によって大勢の市民が殺害されたことを機に、若者たちは武器を持って戦い始めます。シリア人である監督タラール・デルキが、今なお戦いの中で生き、倒れていく彼らの姿をありのままに映し出しています。サンダンス映画祭ワールドシネマドキュメンタリー部門グランプリ獲得作品。
気乗りのしない革命家
「アラブの春」をカメラに収めるために中東へ向かった監督は、イエメンで一人の観光業者カイスに出会います。反政府デモで仕事に打撃を受けたカイスは、当初反政府デモに賛同していませんでした。ですが、政府による市民への発砲と死傷者を目撃することで、カイスの気持ちが徐々に変化していきます。カメラは、出産を控えた妻を抱え、日々の苦しい暮らしに追われるカイスの日常を映していきます。
ホワイト・ヘルメット シリア民間防衛隊
シリアの反体制派支配地域とトルコで活動している「民間防衛隊」=通称「ホワイト・ヘルメット。自らの命を危険にさらしても人々を救っていく彼らの活動に密着し、その過酷な実状を浮き彫りにしていくNetflixオリジナルドキュメンタリーです。アカデミー賞の短編ドキュメンタリー映画賞受賞作品。
今なお続く戦争について、様々な視点から戦争をリアルに映し出した内容には、じっくり考えさせられるものがあります。
また、あまり馴染みがない中東地域について身近になりまし、学ぶ機会にもなります。遠い異国のことで自分たちには関係ないこと、と片付けずに、なにかできることがないか模索してみるのも良いかもしれません。